バレエダンサーにご用心
先日、脚を怪我したバレエダンサーの麻酔を経験したので、ここに報告する。
Jリーガー、プロ野球選手、相撲力士、の麻酔は経験があるが、当方バレエダンサーは初めてである。
20代男性、術前診察の短い会話でも、「怪我によるブランクを心配し、一刻も早い舞台復帰を望む」心情が伝わってきたので、脊椎麻酔ではなくラリンゲアルマスクによる全身麻酔を選択した。
多めのプロポフォールでさくっと導入し、ラリンゲアルマスクは難なく挿入。均整のとれた手足はすらりと長い。
「毎日こんな患者だと、清拭するのも楽しいよねえ~」と、脚を消毒しながらため息をつくナース。
熟女ナースが「センセ~、バルーン(導尿)カテーテルどうします?」気のせいか声がはずんでるような?
私が「短時間手術だから、要らないよ」と答えると
熟女ナース「は~い」気のせいか声が沈んでるような??
そして手術は無事終了し、麻酔を覚ます時が来た。
ラリンゲアルマスクを抜いた直後、すらりと伸びた脚が見事にピルエット・・・ではなく、熟女ナースを直撃した。顔面をおさえ、うずくまるナース。あわてて、残りのスタッフ総出で押さえ込もうにも、脚が信じられない角度までひらく。腕もぶんぶん振り回すし、力強い・・・よく考えれば、毎日のように女性ダンサーをリフトしているんだから、力持ちのハズだ。Jリーガーより腕力は強いかも。ヘタに押さえ込んで、捻挫とか肉離れになって、彼の将来に影響を残してもなんだし・・・などと考えると、また暴れだす。こういう日に限って、外科医は早々に手術室を出て行って見当たらず。
女5人がかりで押さえ込み、病棟に「力持ちを連れて迎えに来て!」とコールする。
病棟でもファンが多いのか、熟女ナース2人が新人ナースマンを連れて速攻であらわれた。
そうこうしているうちに、麻酔もすっかり覚めて、バレエダンサーは退室していった。
結語
Jリーガー、プロ野球選手、相撲力士、バレエダンサーのうち、バレエダンサーの麻酔管理にもっとも苦労した。
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