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2005年8月30日 (火)

maximum gradient/ peak-to-peak gradient (JB-POT直前講座14)

CVPが10mmHgで、三尖弁を逆流する血流速度を3m/sとすると
最高PA圧=10+4×3×3=46と算出でき、SGカテを使わずともPA圧を推定できる。

(直前講座13)では、上記のように書いた。しかし実際にこのような症例にSGカテを入れると、肺動脈圧は35/21などとTEEの計算値より最大肺動脈圧は少なめに表示される場合が多い。どうして、46と35のような違いがでてくるのだろうか?

その原因としては、最大PGには下記の2種類があることを理解する必要がある。

maximum gradient 瞬時最大圧較差
peak-to-peak gradient ピークからピークまでの圧較差

「pressure_gradient.pdf」をダウンロード

通常、心エコーによるデータは前者で、心カテーテル検査によるデータは後者である。
前者は後者の1.2~1.8倍であることが多いが、いずれの方法でも平均動脈圧はほぼ一致する。

さらに、心エコーでの圧較差は流速の二乗から算出されるために、CWの読みが1m/sずれただけで、圧較差が50%以上変わってしまうのはよくあることである。よって、「PG=100mmHgの重症AS」などという場合、その圧較差のデータが心エコーによるものか心カテによるものかを確認するのは、実は臨床的にはとても重要である。

たまに、地方部会などで
「PG=100mmHgの重症AS合併妊娠を、脊椎麻酔で安全に管理した」
といった一例報告を見かけるが
「どうせ、術前心エコーのmaximum gradient=100mmHgで、心カテをしていたらpeak-to-peak gradient=50-60mmHgぐらいの症例だったんだろうなあ」と思ってしまう。

本当にpeak-to-peak gradient=100mmHgの重症ASならば、ミダゾラム2mg筋注だけで循環虚脱をおこすこともある、まことに扱いづらい厄介な代物である。T4までの脊椎麻酔などしたら、(実際にみたわけでないが)無事ですむとはとても考えられないのである。


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