« さぬちゃんのブログに紹介されました | トップページ | 心筋の再生医療 »

2005年8月27日 (土)

MVA; Mitral valve area (JB-POT直前講座11)

 おおまかに言って、MVAの標準値は4~6cm2であり、MS(mitral stenosis)はMVAが2cm2未満で症状が出現し、1cm2が重症とされる。MSの重症度については、勉強熱心な循環器内の先生方が様々な分類法を提唱しているが、(勉強不熱心な私は)ここでは割愛する。MSについて試験対策的に重要なのは、分類や臨床症状よりも、ズバリMVAの測定方法である。
 TEEを使用したMVAの測定方法(で出題される可能性のあるもの)は以下のとおり(特に2~5)。言わすもながだが、(合格のためには)このBlogだけでなく教科書でもきちんと確認しておきましょう。

1.Pranimetry
 2Dモードエコー上の僧帽弁内周をぐるっとトレースするもの。ひねりがないので問題にはなりにくいが、実際のTEEの臨床ではもっとも一般的。
 健常人ではきれいに僧帽弁の全周を一画面で描出するのは困難だが、MS患者では比較的簡単に可能である。TGSAX(transgastric short axis)で左室短軸像を描出した後、プロベーを前屈させたまま1~2cm引き上げると描出できる(はずだ)が、あまり引き上げすぎると食道~噴門の裂傷を招くので、描出しづらいときにはさっさと他の方法に切り替えましょう。

2.Pressure Half Time
    MVA=220/PHT
 僧帽弁を通過する血流速度のE波が1/√2に減衰する時間(=PHT)から間接的に求める方法。

3.Deceleration Time
    MVA=759/DT
 僧帽弁を通過する血流速度のE波が(A波がなかったと仮定して理論上)0まで減衰する時間(=DT)から間接的に求める方法。

 2~3に共通するのは、COPD患者の経胸壁エコー(TTE)のように良好な2Dエコー画像が得られない症例でも、E波だけならば心電図をたよりに捕らえることも可能であり、これらの方法を知っていればほぼ9割以上の症例でMVAを算定することができる。「220」「759」とは、データの集積による経験値であり、理論的に算定された係数ではないため他の弁では適応できない。

4.Continuous Equision 連続の式
 SV (Stroke Volume)=(他の弁もしくはLVOTの)弁口面積×(そこを通過する)TVI=MVA×MVAのTVI
TVI; Time-velocity Integral(文献によってはVTI)というと、大学入試のころの微積分のつらい思い出がよみがえり、ついしり込みしそうになる(私だけ?)が、実際の試験で問題を解くのに必要なのは、中学レベルの数学で充分である。試験問題では、TVIの値はすでに与えられていることがほとんどで、我々はそれに弁口面積(円の面積=2πr2・・・憶えてますよね)を乗じるだけでSVを求めることができる。

5.PISA
 MVA={2π(aliasingまでの距離)2}×{α/180}×{カラードップラーのaliasing/CWモードで測定した最高流速}
MRにおける逆流量の定量化においてERO(effective regurgitant orifice)を求める手法と同様であり、それにα/180の角度補正を追加する。(JB-POT直前講座7参照)

連続の式やPISAは他の弁やQp/Qsの算出でも用いられるので、この際きちんとマスターしておきましょう。


|

« さぬちゃんのブログに紹介されました | トップページ | 心筋の再生医療 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/126543/5646755

この記事へのトラックバック一覧です: MVA; Mitral valve area (JB-POT直前講座11) :

« さぬちゃんのブログに紹介されました | トップページ | 心筋の再生医療 »