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2005年9月 2日 (金)

af; atrial fibrillation(JB-POT直前講座16)

atrial fibrillation ご存知、心房細動のことである。
日本ではafと略されるが、ニューヨーク(の私の留学先)ではA Fib.(エイ フィブ)と呼ばれていた。
「afは不整脈の一種であり、JB-POTには関係ないんじゃないの?」って・・・まあまあ・・・

心エコーの画面下部には、通常ECGが表示されている。TEEの画面だけでは判断のつきかねる問題も、同期するECGをヒントに考えるとたやすく正解にたどりつける場合がある。この場合のECGは、単一の誘導で目盛りもなく、なおかつ誰でも診断できる明快なものでなければならない。となると、もっとも出題しやすいのはズバリafであろう。(違うものが出題されても責任はとれませんが・・・)

画面下部のECGがafだった場合

1.まず、LAA(左心耳)をチェックする必要があります。afといえば、「LA内血栓」であるが、LAの中でもっとも血流がうっ滞しやすく血栓の出来やすいLAAは、TTE(経胸壁エコー)からは描出が困難です。「LAに血栓はない!」と診断するにはTEEが必須です。(が、TTEのレポートだけを見て「LA内血栓はありません」と診断する循環器内科医は少なくない・・・)このときに、Q-Tip(直前講座5参照)を「LA内血栓」と診断しないようにしましょう。

2.Maze手術(PV isolation)の適応があります。

3.E/A比は(当然のことながら)算出できません。

4.E波が心拍ごとにまちまちです。PHTやDTでMVAを求める場合は、5心拍の測定を平均するのが一般的です。


麻酔科が心機能の目安として術前診察ではEFチェックするのが一般的ですが、無論EFは心機能の全てを代表する値ではありません。EFとは通常LVEFの略であり、心臓の4つの部屋のうちのLV(もっとも大切な部屋ですが)機能の指標でしかありません。

心臓のポンプ機能=LV+atrial kick(心房の補充収縮)であり、atrial kickは正常心で約20%、病的な心臓では約50%になる場合があります。よって、麻酔管理上

患者1.EF45%でsinus
患者2.EF60%でaf

を比べた場合、多くの場合は前者の方が循環管理は楽チンです。

ちょうど、

病院1.月収45万、研究日有り、バイト黙認
病院2.月収60万、バイト厳禁

の病院で、「どちらが医者の生活が楽になるか」のようなものです。病的な心臓で「sinus→afになる」ということは「大学勤務医がバイトを禁止される」ぐらい心臓にとってつらいことなのです。

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