« 2006年11月 | トップページ | 2007年7月 »

2006年12月

2006年12月28日 (木)

Swanが街にやってきた(レニングラード国立バレエ)

SwanといってもSwan-Ganzのことではない。レニングラード国立バレエが演じる「白鳥」が、隣町である坂戸市の文化会館にやってきた。運よくその日の手術は定時で終了し、「仕事帰りにバレエ観劇」という(NYでは当然だが日本では)贅沢な時間を体験できたのでその報告である。

埼玉医大に勤務して7年目だが、坂戸市文化会館へは初めての訪問である。第一印象としては、私が高校時代によく訪れた某県の県民ホールを彷彿させる雰囲気。なんせ、ステージカーテンの裾には「埼玉銀行」の文字が・・・。(ちなみに、埼玉銀行→埼玉協和銀行→あさひ銀行→りそな銀行→埼玉りそな銀行、である)。音楽はテープ使用、新国立劇場やサントリーホールではおなじみの、ロビーでのワインバーなどは当然なく、飲み物は自動販売機、その周囲では普段着の子どもたちが走り回っているのであった。

カーテンが上がった。うーん、ステージが狭い(新国立の半分以下?)。でも、バレリーナたちは流石プロである。狭い場所ではそれなりの振り付けのバージョンがあるのであろう。群舞のメンバーは複雑にフォーメーションを変えつつも、決してぶつかることはない。ステージが狭い分、かえってエネルギーが凝縮して迫力すら生まれている。

主役の王子(アルチョム・プハチョフ)登場、「王子にしては生え際が後退しすぎじゃないか」というのが第一印象だった。白鳥(オリガ・ステパノワ)登場、華がある、同じような白い衣装のバレリーナの中でも、一目で主役とわかってしまう。白鳥と王子の踊り、白鳥の腕は雄弁に語りかけるようであり翼のようでもある。阿寒湖に舞い降りた丹頂鶴のようなイメージ・・・よけいわからないって・・・(後で調べたところ、この2人は同じバレエ学校出身で、去年結婚したそうだ。)悪魔(ウラジミール・ツァル)も、人間業とは思えないほどジャンプの滞空時間が長い。

2幕目でやっと王子はソロで踊る。白鳥のサポートに徹していた1幕目ではわからなかった、彼の卓越したジャンプや回転の技が顕在化してくる。かの有名な黒鳥の32回転では、(観客の拍手の嵐で中断されることを前提として)予めテープにポーズを入れて編集してあり、筋書き通りの拍手喝采であった。

予想外だったは、子どもたちのマナーのよさであった。さっきまで走り回っていた子どもたちが、幕が上がったとたんに白鳥と王子の世界に夢中になっているのが、傍目にも感じられた。渋谷の東急Bunkamuraあたりに出没する、母子で小奇麗に着飾っているものの、上演中に私語やらテレビゲームをしている子どもたちより、私には好ましく感じられたのである。

というわけで、新国立劇場の倍ぐらい感激して、帰路についた。惜しむらくは、会場にはまだまだ空席があったことである(2割ぐらい?)。この演目ならば、きちんと宣伝すれば満席も可能だと思うが、上演当日に病院の同僚で知っている人は皆無であった。ローカルTV&ラジオで紹介してもらう、近くの駅やショッピングセンターにポスターを貼り、演奏会当日には坂戸&北坂戸駅で当日券を販売する、程度の努力はしてもよかったのではと思う。

このブログを見た主催者の皆様、来年もぜひ同バレエ団を招聘してくださいね。宣伝もしっかりね。お願いします。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006年12月11日 (月)

JB-POT直前講座2006 番外編

2006年のJB-POTの結果の返送が開始された。さぬちゃんをはじめとして、合格者の皆様、おめでとうございます。

今から約5年前、医学博士号を取得した際に指導教官より送られた言葉である。(ちなみに、彼が博士号を取得した際にも同じ言葉を送られたそうである。)

「結婚はゴールではなくスタートである」というように「学位というのはゴールではなくスタートなんだ。研究者として独り立ちした証であって、ここから医学研究が始まるのだよ。」

新規合格者の皆さん、私は以下の言葉を贈る。
JB-POT合格はTEE画像診断医として独立してスタートに立った証であって、けしてゴールではない。

JB-POTに合格してからのほうが、疑問にぶつかることも多い。しかも、このレベルからの疑問は教科書に正解が載っているとは限らない。だが、こうした疑問から逃げることなく、時間はかかっても一つ一つ対峙してゆくことによって、かつて見えなかったものが少しずつ見えてくるのである。しばしば、TEEを挿入せずとも、ECGやAライン・CVPの波形から、患者の心臓の中で何が起こっているのか推測できるようになってゆく。

麻酔科医として、いや医師として、この見えなかったものが見えてくる悦びはなにものにも換えがたい。私がいまだに、「今日はLVAS、明日はNorwood」という、人使いの荒い大学病院勤務を続けている理由でもある。


ちなみに、JB-POTの合格者のことをJB-POTter(ジェイビーポッター)と呼ぶそうである。

・・・JB-POTterは大学病院の囚人・・・てこと?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年11月 | トップページ | 2007年7月 »