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2008年11月 3日 (月)

10月25日の伊関友伸先生講演会に行ってきました

「自治体病院の研究」や「夕張市立病院の再建」でおなじみの、伊関友伸先生の講演会に行ってきた。
詳細は以下のとおり。

立教大学MBA 第2回「医療経営を考える」公開講演会
日時:2008年10月25日(土) 18時~19時30分(開場17時45分)
場所:立教大学池袋キャンパス 11号館A204教室
テーマ:「試練の時代の自治体病院経営」
講師:伊関友伸氏(城西大学経営学部・准教授)

ざっと見回したところ聴衆は100名程度、「講義中居眠りしたらどうしょう」となどと心配していたが、伊関先生の熱演もあって、居眠りや途中退席の聴衆は見られなかった。なお、伊関先生はけっこう声がデカい。

内容は、自治体病院をめぐる医師大量辞任、病院崩壊、コンビニ受診、現場の声を聞かない行政・・・などなど、今なお「たらいまわし」「受け入れ拒否」「医師確保」「僻地義務化」と騒ぐ大新聞やTV局に、アカでも飲ませたいないレベルであった。医師不足の解決方法も「若手には研修プログラム、中堅にはゆとりある勤務体制」と、現場の医師としてはおおいに同意できるものだった。都立墨東病院産科事件も「あんまり叩くと産科医全員辞職とならないか心配」しておられ、「当直2人体制を維持、産科医派遣を近隣病院に依頼」などと時代錯誤な発言を連発する東京都病院局にも、アカでも飲ませたい気分になった。

夕張、舞鶴、江別、尾鷲、銚子、東金・・・と、病院崩壊の実例が続々と登場し、「聖地」のナマ情報が大盤振る舞いされた。伊関先生が「3000万出せば・・・えーっと、なんだっけ・・・」と言葉につまると、聴衆からすかさず「助教授が跳んでくる(注;尾鷲市の産科医招聘をめぐる某市議の発言)」との合の手が入り、聴衆の中にはディープな病院崩壊ウオッチャーが相当いそうな雰囲気であった。

伊関先生は翌日も講演だそうで、「最近ブログの更新がないのも仕方ないな」と思わせる売れっ子ぶりであった。ただ、医療崩壊系の講演だと、「医師の熱心な受講は目立つが、肝心の自治体職員の受講の熱意がいまひとつ」なのだそうだ。「自治体病院が崩壊しても、医者は転職できるが、事務方はそうもいかないのに・・・」と、元県立病院事務方の伊関先生はつぶやいていたのが印象的であった。

著書でも紹介されていますが、伊関先生はかれこれ8年間お子さんの小学校のPTA会長をしているそうです。隣人との付き合いもあまりない、ぐうたらな私はそれだけで尊敬してしまいます。医療崩壊の一因は、患者(=普通の市民)側にもある」という持論は、ここらへんの体験がベースになってるのでしょう。そして、アフリカや中東で「自分探し」ボランティアをやってる連中よりも、実は難しく、なおかつ世の中の役に立ってるのではないでしょうか。

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