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2009年9月 8日 (火)

JB-POT 直前講座 2009-3 βブロッカーはワンショットに限る

本記事は、某麻酔科医の思いつきで構成されており、特にエビデンスはありません。


ランジオロール(オノアクト)は短時間作用βブロッカーであり、afなどの頻脈性不整脈に有用とされている。静脈内持続投与が基本であり、0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節するそうである。

私も「af合併患者の非心臓手術」などで愛用しているが、シリンジポンプ最後に使用したのは・・・少なくとも一年以上前である。じゃあ、具体的にどう使用しているかと言うと「1バイアル50mgを20ccで希釈してモニターを見ながら0.5~2ccずつTitration」している。

モニターといっても、非心臓手術ではTEEはおろかA-lineも入っていない場合が多い。ならば具体的に何指標にしているかと言えば、af患者ではHR(ECGによる心拍数)とPR(SpO2による心拍数)が異なっている。心臓の有効な拍出量に寄与するのは当然PRであり、HR-PRは心房のムダな空打ちの回数と考えてよい。これらとBPを指標に管理している。

「HR=190、PR=67、BP=85/43」のようにHRとPRに倍以上の開きがあり、なおかつ血圧も不安定といったシチュエーションだと、「シリンジポンプを持ってきて~コード+延長コードをつないで電源を探して~ロック式の50ccの注射器を探して~三活と延長チューブをつけて~薬を希釈して~血中有効濃度に達するのを待って~」と悠長なことをやっているうちに、血行動態が収集がつかなくなることがある。こういうときは(無論、輸液不足や浅麻酔を除外診断の後だが)、すかさずワンショットで「ムダに空打ちしている心房を押さえ込む」のだ。しばらくするとHRは下がるが、PRはさほど下がらないか、かえって上昇する場合もある。たとえBPが想定外に下がり「シマッタ!入れすぎた!」と思っても、ランジオロールは短時間作用型なので、「じっとガマン」していると、それなり回復する。


上記の話を、フリーランス麻酔科医を集めたO野薬品の説明会でしたところ、フリー仲間には同調者が多かったが、O野薬品学術部の面々はビミョ~な表情であった。なお、マネするばあいは自己責任でどうぞ。

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