2017年1月17日 (火)

新刊出ました

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A5%B3%E5%8C%BB%E3%81%AF%E8%A6%8B%E3%81%9F-%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%AE%E7%A8%BC%E3%81%8E%E6%96%B9-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%AD%92%E4%BA%95-%E5%86%A8%E7%BE%8E/dp/4334039677/ref=pd_sim_14_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=KAZNHE5EBCS04Y34BN6B

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2016年4月 1日 (金)

エイプリルフールじゃないよ

こんな本が出ます

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2015年4月11日 (土)

新しいお仕事

こんなドラマの監修をはじめました
http://www.fujitv.co.jp/ishitachi_no_renaijijou/

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2009年10月15日 (木)

ギネ 産婦人科の女たち みました

例のドラマ見ました。

突っ込みどころは多々あるのですが、大学病院(でもっておそらく総合周産期センターも併設)のはずなのに、新生児科医と麻酔科医がほとんど登場しません。

27週双胎分娩なのに、だれもNICUの定員や人工呼吸器の空きを確認しないし、帝王切開に新生児科医の立ち会いを要請することもありません。

帝王切開のシーンでは、頭側に麻酔科医らしいオヤジが立っているのですが、床に大量の血がこぼれていることを産科研修医に指摘されるまで、大量出血に気付きません。この妊婦は心停止しますが、紀香演じる産科医一人が心マ(それも胸骨上から必死で圧迫・・・開腹してるんだから横隔膜下に手を差し入れて心臓を揉上げるのが正解なのですが・・・)するだけで、麻酔科医らしきオヤジはボーっとモニターを見てるだけで、ボスミン投与すらしません。でもって、紀香の活躍で患者は助かるというありがちな結末・・・

「救命病棟24時」でも、耳鼻科医が気道確保できずモタモタしているのを、江口洋介演じる救命医がサクっと気管切開・・・というシーンがありましたが、(崩壊していない)大学病院の中堅耳鼻科医ならば、救命医よりキレイでスムーズに気管切開できるはずなのですが・・・主人公をかっこよく演出するために、他科をヘボく扱うのはやめてほしいんですけど。そういえばこの番組は「麻酔科はいいぞ~5時に帰れる」という台詞もあり、ましたっけ。

もしかして、この大学病院は「麻酔科医が大量辞任した後で、産科は自科麻酔」という設定で、さらなるリアリティを狙い、医療崩壊を世に訴える・・・という趣旨なのでしょうか。

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2009年10月13日 (火)

ギネ 産婦人科の女たち

ギネ 産婦人科の女たち、という番組が日テレで始まるそうである。

番組の内容はともかく、藤原紀香の抱いているベビーは新生児にしてはデカすぎないか!
5kgはありそうなんだけど・・・

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2009年6月14日 (日)

お遍路が媒介したインフルエンザ?

香川県在住の知人の話。

5月下旬に、3歳の娘が突然39度の熱を出しぐったりしたそうである。当然、新型インフルエンザを疑ったが「四国初の患者」になると厄介なことになりそうだなあとも思った。週末ということもあり、自宅でひたすら安静にして冷やしたところ、週明けには平熱になったので、そのまま病院やら発熱外来にはいかなかったそうである。

知人の家は、四国八十八箇所の某寺の近くにあり、春秋のお遍路シーズンには全国から参拝者でいっぱいになる。感染経路としては、それがもっとも怪しいんじゃないかということだった。

もし、その3歳児が発熱外来を受診し、PCRで新型インフルエンザが検出されれば、今頃は厚相やら知事とかが「○日間の遍路自粛要請」という騒ぎになっていたのだろうか。

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2008年11月19日 (水)

「チーム・バチスタの栄光」に異議あり!その方法では死にません(ネタバレ含)

この記事は、ミステリーの結末を知りたくない方は読まないでください。


チーム・バチスタの栄光」というミステリー小説がある。昨年映画化され、現在ではテレビドラマ放映中である。一昔前の医療ドラマの「外科医のみがひたすらかっこいい」ストーリーではなく、心臓手術を題材に麻酔科医・病理医・臨床工学士・器械出しナースなどのメンバーが重要な役割を持って登場する。


原作小説中の犯人は麻酔科医だった。麻酔科医は病院内での麻酔科医の扱いに不満を蓄積させていた。麻酔科医は硬膜外カテーテルを背中から脳に挿入し、手術中にこっそり薬液を注入した。患者の脳細胞はダメージを受け、手術中に心停止させた心臓は人工心肺離脱後も再鼓動しなかった・・・

しかし、ほとんどの麻酔科医は「この方法は使えない」と気付いたであろう。というのも

1.硬膜外カテーテルは首より上まで到達させるには短すぎる。
2.さらに柔らかく、思った方向に直進しにくい。
3.硬膜外腔は脳幹部と連続しておらず、首より上に挿入するには硬膜を破らなければならない。
4.そもそも、心臓手術では原則として硬膜外カテーテルは使用しない。

さらに、

5.仮に、脳細胞がダメージを受けても、しばらく心臓は拍動する(脳死でも心拍はしばらく持続するようなものである)。ゆえに、このケースでは人工心肺離脱後に再鼓動する(が、ICUでいつまでたっても患者の意識が戻らないことで異常に気付くはず)。

6.仮に、再鼓動しなくても、その場合は再び人工心肺に戻れば、大騒ぎする必要はない。PCPSを装着すればICUに帰室できる程度の時間は稼げるので、手術室内で死亡することは、まずありえない。


今回のテレビドラマ編では、「原作とは犯人が違うらしい・・・」とのことだったが、11月18日放映分では、麻酔科医が犯人だった。しかし、1~4の疑問はクリアされていた。麻酔科医は硬膜外カテーテルではなく、肺動脈カテーテルを使用していた。肺動脈カテーテルならば、ほとんどの成人心臓麻酔で使用されているので、バチスタ手術で麻酔科医が使用しても不自然ではない。また、肺動脈カテーテルを右房・右室に挿入するのは通常の使用法なので、周囲も疑問には思わないだろう。

犯人は、肺動脈カテーテルに強い電流を流して、右房・右室にダメージを与えたため、心臓は二度と動かなくなった・・・とのことで、多くの麻酔科医は「これだったらできるかも」と思ったかもしれない。


しかし、私は「やっぱり、この方法は使えない」と思う。というのも

7.心臓手術中は(というか、ほとんどの手術中は)心電図がモニターされているので、心臓を破壊するような高圧電流が流れたら記録に残ってしまう。

8.バチスタ手術は拡張性心筋症に対する手術である。そして、拡張性心筋症の右房・右室の内腔は拡張しているので、カテーテルと心筋壁が接触しにくい(ゆえに、肺動脈カテーテルにはペーシング機能のついたものもあるが、心不全で拡張した心臓ではペーシングが脱落しやすいというジレンマがある)。ゆえに、電流を流しても一撃必殺とはいかないであろう。何度も繰り返すと、壁の薄い肺動脈部分が先に損傷してしまい、「何か変だぞ」と心臓外科医にばれてしまいかねない。


じゃあ、どうすればいいのかというと

9.肺動脈カテーテルはしばしば、逆行性心筋保護液注入ラインの圧モニターのために、その側管と接続されることがある。このラインを使用するのである。たとえば、このラインから蒸留水を注入すれば、外科医に気付かれずに冠静脈洞から静脈を通じて電解質差によって心筋にダメージを与えることができる(心筋保護液と水を間違えた医療事故の報告もある)。水ならば簡単に入手できるし、警察の鑑識調査でも検出されることはないはずである。

ただし、よい麻酔科医のみなさんは、けして真似しないでください。

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2008年11月 3日 (月)

10月25日の伊関友伸先生講演会に行ってきました

「自治体病院の研究」や「夕張市立病院の再建」でおなじみの、伊関友伸先生の講演会に行ってきた。
詳細は以下のとおり。

立教大学MBA 第2回「医療経営を考える」公開講演会
日時:2008年10月25日(土) 18時~19時30分(開場17時45分)
場所:立教大学池袋キャンパス 11号館A204教室
テーマ:「試練の時代の自治体病院経営」
講師:伊関友伸氏(城西大学経営学部・准教授)

ざっと見回したところ聴衆は100名程度、「講義中居眠りしたらどうしょう」となどと心配していたが、伊関先生の熱演もあって、居眠りや途中退席の聴衆は見られなかった。なお、伊関先生はけっこう声がデカい。

内容は、自治体病院をめぐる医師大量辞任、病院崩壊、コンビニ受診、現場の声を聞かない行政・・・などなど、今なお「たらいまわし」「受け入れ拒否」「医師確保」「僻地義務化」と騒ぐ大新聞やTV局に、アカでも飲ませたいないレベルであった。医師不足の解決方法も「若手には研修プログラム、中堅にはゆとりある勤務体制」と、現場の医師としてはおおいに同意できるものだった。都立墨東病院産科事件も「あんまり叩くと産科医全員辞職とならないか心配」しておられ、「当直2人体制を維持、産科医派遣を近隣病院に依頼」などと時代錯誤な発言を連発する東京都病院局にも、アカでも飲ませたい気分になった。

夕張、舞鶴、江別、尾鷲、銚子、東金・・・と、病院崩壊の実例が続々と登場し、「聖地」のナマ情報が大盤振る舞いされた。伊関先生が「3000万出せば・・・えーっと、なんだっけ・・・」と言葉につまると、聴衆からすかさず「助教授が跳んでくる(注;尾鷲市の産科医招聘をめぐる某市議の発言)」との合の手が入り、聴衆の中にはディープな病院崩壊ウオッチャーが相当いそうな雰囲気であった。

伊関先生は翌日も講演だそうで、「最近ブログの更新がないのも仕方ないな」と思わせる売れっ子ぶりであった。ただ、医療崩壊系の講演だと、「医師の熱心な受講は目立つが、肝心の自治体職員の受講の熱意がいまひとつ」なのだそうだ。「自治体病院が崩壊しても、医者は転職できるが、事務方はそうもいかないのに・・・」と、元県立病院事務方の伊関先生はつぶやいていたのが印象的であった。

著書でも紹介されていますが、伊関先生はかれこれ8年間お子さんの小学校のPTA会長をしているそうです。隣人との付き合いもあまりない、ぐうたらな私はそれだけで尊敬してしまいます。医療崩壊の一因は、患者(=普通の市民)側にもある」という持論は、ここらへんの体験がベースになってるのでしょう。そして、アフリカや中東で「自分探し」ボランティアをやってる連中よりも、実は難しく、なおかつ世の中の役に立ってるのではないでしょうか。

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2008年11月 2日 (日)

大野病院事件は単なる失血死か?一麻酔科医としての疑問

めずらしく、マジメな話をさせていただく。

福島県立大野病院における帝王切開母体死亡をめぐる裁判が一段落したかと思いきや、今度は都立墨東病院における脳出血合併妊娠母体死亡で世間は大騒ぎである。一連の事件の背景にある、産科医不足や分娩そのもののリスクについては、幾多の優秀なブロガーが取り上げているので、ここでは割愛する。しかし私が一麻酔科医として、2年以上腑に落ちないことがある。それは、医学的な直接死因として

大野病院における帝王切開母体死亡は、単なる失血死だったのか?

という点である。この事件は何かと、奈良県の大淀病院や今回の墨東病院での周産期母体死亡とセットで語られることが多いが、「脳出血」という直接死因が明瞭な後2症例と比べて、この症例の直接死因については「単純な失血死」としては納得できない点が多い。


1.ホントの術中出血量は?

「失血死」とこの事件は大々的に報道されているにもかかわらず、この症例の術中出血量は未だ公表されていない。

麻酔科医の証人尋問で登場する数字は、2000,2555,7675といった数字である。福島県の報告書の文中では5000mlとの記載がある。報道によっては12085mlという記事もある。一方、検察側の論告求刑では20445mlとされているが、「麻酔記録の読み方をしらない検察が麻酔記録の出血量の欄に並ぶ数字を単純に足してしまった大チョンボ」という説もある。この裁判で検察側は、「臍帯と靭帯を混同」「クーパーを単なるハサミと誤解」といったシロートくさい数々のチョンボがあるので、この程度のチョンボはやりかねないと私は思う。

確かに、周産期の突発的な大出血では現場は修羅場になり、正確な出血量のカウントにはとても手が廻らない、というのは理解できる。しかし、これだけ日本の産科医療を震撼させた事件で、出血量が5~20リットルとリットルベースの推定においても未だ見解の一致を見ないというのは、由々しき事態だと思う。


2・麻酔科医の裁判証言より

ならば「最も信頼できる出血量の数値は?」と訊かれれば、「麻酔科医の証言する数値」だと答えたい。手術中の出血量の把握は、麻酔科医の仕事の一部であるし、検察・マスコミ・県の役人・担当麻酔科医の言う出血量が食い違っていたら、四者のうちで麻酔科医の言う数値を信頼するのは私だけではあるまい。

また、この麻酔科医は今後の民事裁判で産科医ともども訴えられる可能性は多いにある。こうした中で麻酔科医にとっては「裁判所が認める出血量が多ければ多いほど有利」である。出血が多いほど責任は産科医に重くなり、「下手な産科医につきあわされた気の毒な麻酔科医」と印象づけることができるからである。ゆえに、せっかく検察が20リットルという値を主張しているのに、あえて8リットル弱の数値を(自分に不利になるかもしれないのに)証言したのは、やはり真実の出血量の値がその近辺にあるからのような気がしてならない。

この事件で麻酔科医は、病院職員から緊急輸血をつのったが、GVHDを恐れて結局その血液は使用しなかった。このことからも、7675mlというデータに信憑性がうかがえる。出血20リットル超だったなら、問答無用で使用していたはずである。

なお同業者として言わせていただければ、この麻酔科医の臨床レベルはきわめて真っ当である。輸血の到着を待つ間をへスパンダー+ノルアドレナリンのワンショットでしのいだり、ショック状態の中でケタミン+サクシンで脊椎麻酔→全身麻酔にしたり、「慢性人手不足の僻地病院で修羅場をくぐって苦労してきたんだなー」と、しんみりしてしまう。フリーランスに転進すれば盛業するタイプと推察できる。


3.周産期の原因不明の心停止

麻酔科医の証言から推測されるストーリーはこうである。

「帝王切開で児を娩出した後に胎盤娩出が困難で大量出血をきたし、母体はショック状態におちいり、準備輸血を使い果たした麻酔科医は院内職員より輸血を募った。子宮全摘によって出血は下火になり、バイタルは低空飛行ながら安定してきたので麻酔科医は院内輸血の使用を保留した。手術が終盤を迎えた頃、産婦は突然心停止し懸命の蘇生にも反応しなかった」

ならば、なぜこの妊婦の心臓は止まったのか?

解剖も最近流行のAiも行われなかったので推測の域を出ないが、私が思いつくのは
・羊水塞栓症
・周産期心筋症(産褥期心筋症)
・肺血栓塞栓症
・肺塞栓が卵円孔を介して左房に迷入→脳塞栓
・大量輸血に伴う電解質の乱れ→不整脈→心停止
・薬剤の取り違え(例:トランサミン(止血剤)とアスパラK(カリウム)を間違えてワンショットなど;ただしこの病院では手術室にノルアドレナリンすら常備されていないらしく、アスパラKが常備されている可能性は低い)
といったあたりである。

そして、現代の医学では未だ解明されず「臨床的羊水塞栓」などとお茶をにごされているが、要するに「はっきりと説明のできない周産期母体心停止」という現象はまれではあるが確かに存在する。この事実は謙虚に受けとめるべきである。


4.心エコーは母体死亡回避に有効か?

「ならば、どうすれば再発防止できるの?」と問われたら、「万能ではないが、分娩室での心エコーにはその可能性がある」と答えたい。

羊水塞栓や肺塞栓は急性右心不全の像(RV拡大、TR)を呈するし、周産期心筋症は拡張性心筋症の像を呈する。卵円孔開存の有無も確認できる。上記6疾患のうち4疾患までは、ルールアウトできるのである。

「分娩室に機械がないでしょ?」と判断するのは早計である。現在、日本のどんな分娩室でも、産科エコーは常備されている。それを心臓にあてればよいのである。詳細な定量的評価はできなくても、「ほぼ正常」「右心不全」「心拡大+壁運動低下」「循環血液量不足」程度の鑑別は可能である。

「誰が心エコーをやるんだよ、すべての麻酔科医ができるとはかぎらないよ」という意見もごもっともである。しかし、現在の産科医は箸を使うがごとく毎日産科エコーを行っている。エコー機械の扱い自体は、平均的な麻酔科医よりは秀でていることが多い。胎児心奇形を診断できる産科医も多い。ゆえに、胎児の心臓を診るようなベテラン産科医ならば、まる1日特訓すれば母体心エコーの初歩はマスターできると思う。

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